■N.Y.のイースト・ビレッジは所謂アヴァンギャルド・エリアと呼ばれ、ミュージシャンを筆頭にアーチストたるもの一度は訪れたい「猥雑さ」「胡散臭さ」がぷんぷんする。最近でこそ高層マンションまで建ち始めているらしいが、このあたり一帯には、「どうやってメシ喰ってるの?」と言わんばかりの人達(ホームレスではない)が沢山居て、日本で言えば中央線沿線、特に高円寺の雰囲気に近い。が、もっともっとダウナ〜で、ディープ且つ尖がった感じだ。
■ライブ・ハウスのCBGB、ブルーマンのアスター・プレイス・シアター *1、巨大古本屋のストランド書店 *2、インド料理街、多くの古着屋やアクセサリーショップ、そして何故かお好み焼き屋や、存外に美味い蕎麦屋など日本食店も結構あったりして、僕などはある意味リラックス出来て大好きだ。
*1 http://www.blueman.com/
*2 http://www.strandbooks.com/home/
■古内東子の“恋愛の神様”はいただけないが、N.Y.生まれのブラジル人でノイズ・ギターの弾き手であるアルト・リンゼイを“イースト・ビレッジの催眠術師”とはよくぞ言ったものである(彼がここの住人かどうは定かでないが…誰か教えて下さい)。彼とピーター・シェラーのバンド「Ambitious Lovers 」の「lust 」(1991)は、日本に居ながらにして、そんなイースト・ビレッジ独特の空気を吸える一枚である。ボサノヴァとファンク等々が混じり合って、奇妙だが美しさもあって、それこそ催眠術にかかった様な気持ちにさせられる不思議な音楽である。「it's gonna rain 」は雨をテーマにした曲のベスト5に入れたい程だし、ファンクな「make it easy 」は珍しいナイル・ロジャースのソロが聴けたりもする逸品である。彼がこの街に住んでいることは恐らく間違いないだろう。

